遺産分割トラブル

遺産分割トラブルを弁護士に相談するメリット

遺産分割について相談する専門家としては、弁護士・税理士・司法書士・行政書士などがいます。しかし、遺産分割においてトラブルが起こるかどうかわからない段階でも、弁護士に相談するのが良いでしょう。

相続調査や遺産分割協議書の作成は他士業でもできますが、代理人としての他の相続人と交渉したり、調停・審判業務は弁護士にしか認められていません。

弁護士 司法書士 行政書士 税理士
相続調査
遺産分割協議書作成
代理人として交渉
調停
審判
相続登記
相続税申告

遺産分割協議の進め方

遺産分割トラブルを解決するまでの流れ

遺産分割の方法は法律で原則が決められています。

  1. 指定分割…遺言があれば、遺言の通りに相続する
  2. 協議分割…遺言がなければ、法定相続分を基準として相続人が話し合いながら相続分を決める

しかし、遺言書のとおりに実際に相続をしたとしても「納得できない」とか、「遺留分を求めたい」というようなことで争いになることもあります。また、遺言書がない場合に法定相続どおりに分けることに対する不満も出てくるでしょう。このような遺産の分割トラブルを解決するには以下の流れになります。

1,遺産分割協議
2,遺産分割の調停
遺産分割協議がまとまらない場合や話し合いに参加しない相続人がいる場合は、相続人は家庭裁判所にその分割を請求することができます。遺産分割調停は、家庭裁判所の調停室という場所で、調停委員という仲裁人を交えて相続人の間で話し合われます。調停では、相続人が勢ぞろいして話し合うのではなく、調停委員を通して交互に自分の意見を交換します。調停委員は、相続人それぞれの意見を聞き、一人一人が納得できるように解決案を提示したり助言をしたりして話し合いをうまくまとめる役目があります。
3,家庭裁判所での遺産分割の審判
調停はあくまでも話し合いですので、全員が納得しなければ成立しません。調停で合意ができなければ、原則として審判へと移行します。
その場合、遺産分割審判が行われますが、家庭裁判所の家事審判官がそれぞれの主張や年齢・職業・生活状況などあらゆる事情を考慮して法定相続分をもとに審判を下します。この審判は、判決と同じように強制執行を行うことができ、これには必ず従わなければなりません。

遺産分割紛争で押さえておくべきポイント

相続人の確定

相続人のうち、一人でも参加しない遺産分割協議は無効となってしまいます。ですから、相続人の確定はとても重要であり、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍を取り寄せ、さらに相続人の全戸籍を取り寄せて相続人を確定しなければなりません。

遺産の確定

被相続人の遺産が何かについても確定する必要があります。もし遺産の範囲について争いが起きてしまった場合は、遺産確認訴訟等で遺産の範囲を確定させる必要がある場合があります。

遺産分割の基準

遺産分割の基準は法律(民法)で定めていますが、同時にこれを修正する法的な手段があります。

  • 寄与分…被相続人の財産の維持・増加に寄与した場合
  • 特別受益…生前贈与を、相続財産の一部とみなす場合
  • 法的欠格事由…被相続人に対する虐待・侮辱・非行などの場合

この記事を書いた人

吉津健三

弁護士 吉津健三
福島県只見町出身。中央大学法学部法律学科卒。
平成18年、福島県郡山市できつ法律事務所を設立。
令和3年度、福島県弁護士会会長を務める。

コメント
郡山市の皆様の法的トラブルが一刻も早く解決できるよう
常に迅速な対応を心掛けています。一人で抱えずにご相談ください。