交通事故による後遺症があらわれたら

交通事故による後遺障害はどのように判定されるの?

福島県郡山市では後遺障害が残ってしまうような交通事故に見舞われるケースはあまり多くはありません。だからこそ、どう対処して良いか分からないという声を頂きます。そんなとき、ご自身や家族だけで悩まず、どうかお気軽に弁護士にご相談ください。あなたの抱える辛い想いを、弁護士がしっかり受け止めます。

まず覚えておいて頂きたいのが、交通事故で怪我をさせられた場合、症状固定後に医師に認定基準に沿った後遺障害診断書を作成してもらう必要がることです。書類の作成には1週間~10日ほどかかる場合もありますので早めに依頼しなければなりません。そのうえで後遺障害診断書を添えて、後遺障害の認定の申請を行います。

被害者請求
被害者請求とは、後遺障害診断書と怪我を負ったときのレントゲン・CT・MRI、さらに症状固定後のレントゲン・CT・MRIの結果を医療機関から貸し出しを受け、加害者が加入している自賠責保険会社に後遺障害等級の申請をします。
事前認定
事前認定とは、加害者の加入する任意保険会社に後遺症診断書を提出し、依頼をする方法です。ほとんどの被害者が事前認定を行っています。この場合、等級の任意保険会社から等級の認定通知がなされます。被害者は任意保険会社から等級の認定通知を受け、それに基づいた損害賠償で合意しなければお金は振り込まれません。

交通事故の後遺障害にはどんな種類がある?

むち打ち損傷

むち打ち損傷とは、交通事故などによる外部からの衝撃によって、頸部(首)がむち打ったように過度に伸縮した結果、頸部の筋肉や靭帯、椎間板などの軟部組織や骨組織が損傷することをまとめて言います。

このようにむち打ち損傷は、病名ではありません。医師からの診断書に「むち打ち損傷」と書かれることはありません。「頸椎捻挫・頸部捻挫・頸部損傷・頸部挫傷・外傷性頸部症候群」などと記載されるでしょう。

交通事故に遭ったあと、頭・首・方・腕・背中などの痛みや、めまい、しびれ、知覚異常・倦怠感・吐き気・微熱・睡眠障害・情緒不安定などに陥ることがあり、前述のような病名を医師から診断された場合には、むち打ち損傷を受けたと判断できます。

低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)

脳と脊髄は繋がっており、脳から脊髄までを覆う閉鎖空間を脳脊髄液という液体が満たしています。この空間を脳脊髄腔と呼びます。脳脊髄液という液体の中に脳と脊髄が浮いているようなイメージです。

しかし、交通事故による強い衝撃で脳脊髄腔に穴が開いてしまうと、空間を満たしていた液が体外に漏れていってしまいます。脳脊髄校内の圧力が低下した場合、脳組織が脊髄に向かって沈殿することで頭痛などの症状が発生します。

頭痛だけではなく、吐き気がしたり、耳が聞こえにくくなったり、首の痛み、視野が狭くなるなどが臨床症状で認められています。

高次脳機能障害

交通事故や病気によって脳に損傷を受けた結果、言語・思考・記憶・行為・学習・注意など、脳の持つ知的活動に障害が生じる症状をいいます。交通事故によって起こる高次脳機能障害は、記憶障害・注意障害・遂行機能障害・社会的行動障害・病識欠如などの症状が現れます。日常生活において大きな支障をもたらし、生存のための必要最小限の行動さえあぶないというような重大な後遺症になる場合もあります。しかし、この症状が見た目では認識しづらく、本人でさえなかなか自覚できないことから、発見が難しいという問題があります。

外貌醜状

外貌醜状とは、外貌(手足以外の人目に触れるような、主に顔や頭の部分)に人目につく傷痕が残ってしまうことです。これによって精神的なショックや将来の職業に対する影響を損害賠償する権利が発生します。

上肢機能障害

上肢(肩関節・肘関節・手関節までの3大関節および手の部分)に強い衝撃を受けたなどが原因で、関節が動かなくなってしまったり、それに近い症状が現れることを上肢機能障害と呼びます。手関節から先は、手指として後遺障害等級認定の対象の中では特異に扱われます。

下肢機能障害

下肢機能障害とは、上肢機能障害と同様、下肢(股関節・ひざ関節・足関節までの3大関節および足指)の関節が動かなくなってしまったり、それに近い症状が現れることをいいます。

交通事故の後遺症による逸失利益と慰謝料

交通事故の後遺症による逸失利益

後遺症のある被害者の方は、たとえば仕事中もずっと首が痛くて集中できなかったり、仕事に行くことさえできないことも考えられます。交通事故の被害者が後遺症のために失ってしまった将来にわたって得られるはずであった利益のことを「後遺症による逸失利益」といいます。

後遺症による逸失利益=【基礎収入】×【労働能力喪失率】×【労働能力喪失期間に対応した中間利息控除係数】で算出されます。

1.基礎収入とは?

給与所得者
給与所得者の場合、原則として事故前の現実の収入額を基本として計算します。しかし、今後給与が上がる見込みのあった若い世代を考慮し、30歳未満の若年労働者については生涯をとおして全年齢平均賃金程度の収入を得られる可能性があれば、それをもとに計算する考え方が有力です。
事業所得者
事業所得者の場合、原則として前年度の確定審虎口に基づく収入額から固定経費以外の経費を差し引いた金額を基礎収入とします。
家事従事者
原則として全年齢平均賃金を基礎収入とします。パート収入のある主婦の方は、実際の収入額と全年齢平均賃金を比較して高い方を基礎収入として休業損害を計算するのが一般的です。
学生
被害者が未就労の学生であっても大学進学が見込まれる場合には、大学を卒業して就職した人の賃金の暫定から、基礎収入の算出が認められる場合があります。
失業者
被害者に労働能力と労働意欲があり、就労の可能性がある場合には、原則として失業前の収入を参考に基礎収入を計算します。
高齢者
就労の可能性がある場合には、年齢別平均の賃金額より基礎収入を算出します。

2.労働能力喪失率とは?

交通事故の後遺症によって失われる労働能力を数値化して表現したもので、被害者の後遺症の程度、性別、年齢、職業そのた諸般の事情を踏まえて労働能力喪失率を算出します。

3.労働能力喪失期間とは?

後遺症によって仕事ができない、効率が悪くなってしまったなどの影響が何年も残ることがあります。この期間のことを労働能力喪失期間といいます。原則として症状固定日から67歳までの期間とされます。被害者が未就労の学生であった場合、18歳または22歳(大学卒業が見込める者)から67歳までがこの期間に該当します。
高齢者の場合、症状固定から67歳までの年数が平均余命年数の2分の1以下である方は、原則として平均余命年数の2分の1の期間が労働能力喪失期間となります。

4.中間利息控除とは?

被害者が将来にわたって得られるはずであった利益を、後遺症が発覚した時点でそのままの金額を受け取ってしまうと、本来受け取ることができる時点までに発生する利息の分、被害者が不当な利益を得ることになってしまいます。この利息分に対応する金額(=中間利息)をあらかじめ差し引いておくために、中間利息控除が行われます。

後遺症慰謝料とは?

後遺症慰謝料は、交通事故の被害者が後遺症をもたらす怪我を負ってしまった場合に、そのこと自体に対して請求できる慰謝料のことをいいます。

入通院慰謝料と同じように、自賠責保険・任意保険・裁判所ごとに支払い基準が設定されています。後遺症慰謝料を請求する場合には、自賠法施行令に定める等級として何級が認定されているかが非常に重要になります。