交通事故の加害者になってしまったら
車を運転していれば、誰もが加害者として交通事故を引き起こす可能性があります。
もし加害者になってしまったらどうすればいいのでしょう。交通事故の加害者としての対応について、役立つ知識をご紹介します。
交通事故の加害者が負う責任について
交通事故を起こしてしまった加害者は、次のような法的責任を負います。
- 刑事責任―――自動車運転死傷処罰法、道路交通法等による刑事罰
- 行政責任―――運転免許の取消や停止などの行政罰
- 民事責任―――被害者の怪我や物的な損害に対する損害賠償責任
交通事故発生から解決までの流れについて
加害者の負う法的責任のうち、刑事責任や行政責任は警察などの判断を待つことになります。
しかし民事責任については加害者が自分から対応する必要があります。
主に民事責任の問題について、解決までの流れをまとめてみました。
- (1)事故発生直後の現場での対応
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- 事故状況の確認
- 被害者の救護を行う
- 二次被害を防止し道路の安全を確保
- 警察への通報
- 実況見分調書の作成への立会
- 被害者の連絡先等の確認
- 事故状況の記録や目撃者の確保
- 保険会社への連絡(後日でも可能)
- 事故後の示談交渉
- 交通事故の現場ですべきことが終わると、被害者に対する損害賠償について話し合う示談交渉が必要となります。
任意保険に加入していれば、保険会社が示談交渉を代行する契約になっている場合がほとんどですので、自分で被害者と示談交渉を行う必要はありません。
この示談交渉では主に次のようなことを行います。全て順調に進めば被害者に対する事故の賠償は全て解決します。
- 被害者との示談交渉の話し合い
- 被害者が長期間の通院の場合は、症状の固定を待った上で損害賠償額を確定
- 自賠責保険の加害者請求手続
- 被害者の治療に対する治療費や物的損害の賠償金支払
- (3)示談交渉がこじれたとき
- 被害者との間での示談交渉が決裂した場合は、裁判所や各種の仲裁機関において解決をはかることになります。
弁護士に相談や依頼をしたほうが良いケース
- (1)刑事責任を負う場合
- 加害者の刑事責任が重いと判断された場合は、逮捕・起訴されることもあります。
被害者の被害が大きければ刑事責任を負うこともやむをえませんが、被害者との示談交渉の結果次第では、刑を軽くできる可能性もあります。
早急に弁護士に相談し、示談交渉を依頼するようおすすめしたいと思います。 - (2)任意保険の示談交渉代行がない場合
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- 任意保険に未加入だった
- 任意保険の示談交渉代行を契約していなかった
- 事故が保険適用外だった
このように保険会社に示談交渉を代行してもらえない場合、全てを自分で行わなければなりません。
公的な仲裁機関を利用する方法もありますが、多くの方は自分1人での示談交渉に難しさを感じるのではないでしょうか。
交渉を進めていると、被害者の請求金額が妥当なのか、不当な請求をされていないかなど、判断に迷うことも多々出てくるでしょう。
このようなときは早めに弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けておくことをおすすめします。
- (3)任意保険の保険会社だけでは対応できない場合
- 保険会社が示談交渉を始めても、交渉の長期化や決裂の場合があります。
すると保険会社も自身での交渉が困難と判断し、弁護士に依頼して示談交渉を継続したり、調停や裁判などの法的措置により解決をはかっていきます。
加害者の事故では、多くの場合は保険会社が顧問弁護士に依頼するため、加害者が費用負担をすることはほとんどありません。
ただ次のような場合には、保険会社や顧問弁護士では解決できないことも考えられます。- 保険会社の対応に納得できない場合(自分の無過失を主張したい、など)
- 任意保険の保障額を上回る賠償責任を負いそうなとき
- 保険の適用を希望しない場合
そんなときは保険会社側に遠慮せず、自分の信頼できる弁護士に相談をしてみましょう。
加害者の立場でも弁護士に相談を!
交通事故の加害者になってしまう。それはある日、突然にやってくる出来事です。
ほとんどの方は、加害者になったときの心構えなどできていないのが実情でしょう。
たとえ加害者の立場になった場合でも、きつ法律事務所は専門家としてお困りのかたの助けになります。