後遺症の悪化

通勤中に交通事故に遭い、事故後2ヶ月間治療を続けている方からの相談事例を紹介します。仕事を休業し治療を続けていますが、まだ、手首と膝に痛みが残っており、リハビリを行っている最中に、勤務先から、職場復帰するか、退職するかのどちらかを選ぶように連絡を受けたそうです。職場に復帰しなければならないのか、また休業補償をいくら貰えるのかを知る方法はあるのか、という内容でした。

労務不能であれば、職場復帰の必要はなし

現在治療中の医師の判断で、労務の提供が不可能な状態である診断された場合は、無理に復帰する必要はありません。と同時に、自主退職に同意する必要もありません。
労務不能かどうかは、主治医の判断によるので、診断書を取得し、会社に労務不能であることを説明することが大切です。

交通事故による休業中の解雇は違法

会社は、法律上、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり、療養のために休業する期間及びその後30日間は解雇してはならないことになっています。
相談者様の場合は、通勤中の交通事故ということで、「業務上負傷」したことになるのですが、これが通勤中ではなく、プライベートでの交通事故の場合、会社の就業規則に規定されている休職期間を経過しても職務に復帰できないときは会社は解雇できる場合がありますので、就業規則を確認することが大事です。

交通事故による休業に対する補償

  • 交通事故の相手方に請求する休業補償
  • 交通事故による怪我で仕事ができなかった期間については、事故の相手方に休業補償を請求することができます。休業補償は、一般的には、事故前3ヶ月の収入を合計し、それを90で割ったものを「1日あたりの収入」とし、それに、休業日数をかけて算出します。
    <例>事故前3ヶ月間の収入の合計が100万円だった方が、治療のために交通事故の後、45日間会社を休んだ場合
     「1日あたりの収入」→100万円÷90(日)=11,111円
     45日間の休業補償 →11,111円×45日=49万9,995円

  • 労災保険から受給できる休業補償給付
  • 相談者様のように、通勤中の交通事故の場合、労災保険から休業補償給付を受け取ることもできます(プライベートでの交通事故には労災保険は適用されません)。労災保険の休業補償給付は、事故前の1日あたりの収入の6割になるので、休業補償給付の支給を受けた場合、事故の相手方には残りの4割を請求することになります。
    また、労災保険では休業補償給付とは別に、休業特別支給金として、事故前の1日あたりの収入の2割を受給できます。これは受給しても、事故の相手方への請求額に影響しませんので、忘れずに請求しておくことが大切です。

交通事故の休業補償を受けながら段階的な職場復帰を

治療中に無理をして会社に復帰をしてしまうと、怪我が悪化したりリハビリが進まなかったりして、結果として治療が長引いてしまう可能性があります。また、復帰をしたことで、労務が可能であったと判断されてしまい、事故の相手方から休業補償を支払ってもらえなくなる可能性もあります。
ですから、私は、一日も早く怪我を完治させるために、しっかりと休業し、治療に専念することが大事だと考えています。
相談者様の場合、まずは会社に対して医師の診断書を得た上でしっかりと怪我の状況を説明することが必要です。
また治療継続中であっても短時間であれば勤務可能な状況になった場合は、短時間の勤務から徐々に復職することも一つの方法として検討されるのが良いと思います。短時間勤務になることで収入が減ったとしても、その分については、事故の相手方に請求できます。ただ、事故の相手方に就労可能であった(休業の必要がなかった)と言われないために、「一時的・短時間の勤務に限定して就労可能である」旨の診断を医師から取得しておいてください。

交通事故で休業中の問題については、きつ法律事務所にお任せ下さい。

交通事故に遭ってしまうと、事故の相手方との問題だけでなく、会社との関係でも様々な問題が起きてしまうことが少なくありません。少しでも負担を減らして治療に専念していただくためにも、少しでも心配事がありましたら早い段階でご相談ください。
きつ法律事務所では、相談者様それぞれの状況に応じて、最適なアドバイスをさせて頂きます。