2014.6.24

あなたは、「弁護士」と聞くと堅苦しく、いつも難しい話ばかりしているイメージを持たれるのではないでしょうか。
しかし、福島県や郡山市で「弁護士になりたい!」という若者の声を聴くと嬉しい気持ちになります。
弁護士を目指す方に、何か伝えられることはないだろうかと思い、私が弁護士を目指したきっかけと経緯をご紹介したいと思います。

私が弁護士を目指し、司法試験に合格するまで

私は中央大学法学部法律学科出身です。
大学進学当時はまだ進路を決めていませんでしたが、法学部を選んだのは自分の将来に可能性が広がると思ったからです。
弁護士になろうと決めたのは、大学2年生の時でした。
周りも弁護士を目指している友人が多く、そんな仲間と過ごすうち私も自然と目標が立ったのですね。
弁護士への道を進むと決めてからは、大学の授業と並行して、司法試験のための勉強も始めました。

司法試験は簡単に受かる試験ではないので、大学在学中に合格することはできませんでした。
しかし、高校3年の時に父親を亡くし、苦労して大学まで出してくれた母親のことを考えると、そのまま勉強に専念させてほしいとはとても言えませんでした。
そこで、一旦は司法試験をあきらめて就職し、福島県庁の職員になりました。
その後、弁護士への思いが再びわいてきて、司法試験の勉強を復活させました。
仕事の傍ら独学で勉強する日々を送ることにしました。
司法試験はとても狭き門なので合格するまで10年以上かかる方もいます。
私も司法試験に合格するまで長い時間がかかりましたが、とにかく弁護士になるんだという強い意志をもって、決して勉強をやめることはしませんでした。

司法試験に合格してから弁護士までの道のり

合格してもすぐに弁護士になれるわけではありません。
次は研修生として埼玉県にある司法研究所に入り、座学と現場実習を1年半かけて学びました。
司法研修所時代に裁判官、検事、弁護士の仕事をひととおり学び、研修所の卒業試験に合格して初めて弁護士になることができました。
弁護士資格の証明である金色のバッジをいただいたときは本当に嬉しくて、ようやく努力が実ったと感動もひとしおでした。
今でもこのバッジを襟に付けるときは気が引き締まり、今日も一日がんばろうという気持ちになります。

弁護士を目指すあなたへのメッセージ

私は普段、福島県の郡山市にある事務所で交通事故の損害賠償請求、相続問題、離婚問題、借金問題、刑事事件など、常に複数の依頼や相談をいただいています。
様々な業務を同時進行で対処するので、これから弁護士をめざすあなたは意外と思われるかもしれませんが、数字が得意になってほしいですね。
計算は頭の体操になりますし、何より論理的に答えを導き出すことは、証明やプロセスを重視する裁判でも同じことが言えるからです。
また、体力も必要です。
人の話を聞くことは結構体力が必要です。
弁護士は深刻な悩みや不安、時には怒りを依頼人から聞くのが仕事ですので、タフさを必要とします。
そして相手の話を素直にじっくり聞くことができること。
要点ばかり求めると、肝心なことが漏れたり聞き逃したりしてしまうので、私はどんなに相手の話が長くても腰を折らず、最後まで耳を傾けることを心がけています。

弁護士は言葉ひとつひとつに責任や重みをもつので、裁判期間は緊張の連続ですし、辛く感じることも全くないわけではありません。
でも、個人の方の場合特にそうだと思うのですが、一生のうちに弁護士に関わるなんてことは1回あるかないかだと思います。
その1回の解決のために、私を頼りにしていただき、私にご依頼をいただいた訳ですので、辛いなどと言っていられません。
常に依頼者のためにベストを尽くしたうえで、さらにベストを尽くしています。
そして、解決した時は人から直に感謝されることが多いですので、そんな時は仕事にやりがいを感じる瞬間でもあります。
困っている人の力になりたい、という気持ちが根底にあるのが弁護士ですから。
まさに「世のため、人のため」に働ける職業だと思います。
あなたが弁護士の夢をかなえ、ともに活躍できる日を楽しみにしています。

この記事を書いた人

吉津健三

弁護士 吉津健三
福島県只見町出身。中央大学法学部法律学科卒。
平成18年、福島県郡山市できつ法律事務所を設立。
令和3年度、福島県弁護士会会長を務める。

コメント
郡山市の皆様の法的トラブルが一刻も早く解決できるよう
常に迅速な対応を心掛けています。一人で抱えずにご相談ください。