よくわかる中小企業のための会社法
商法や会社法は、いわば商売のプロに適応される法律といえます。企業間の取引では、民法で想定されている個人的な取引とは違い、形式ばった仕事が継続的に繰り返されます。そこで、商取引の特性に合わせて、合理的な取り扱いを定めたルールがあります。それが商法や会社法です。商法や会社法は、民法のなかでも特別な法律として扱われます。
2006年には、商法・会社法ともに大幅に改正されました。
きつ法律事務所でも、それに準じた方策をご提案しています。
新会社法とは?
新会社法では、旧商法に比べて様々な点で改正がなされています。そのうち、LLC(合同会社)が導入されたことや起業しやすくなったことは、郡山市の中小企業にも影響を与えました。
新会社法へと改正される以前は、株式会社の場合1,000万円、有限会社の場合でも300万円ないと有限責任会社の設立ができませんでした。
しかし、新会社法では株式会社は1円からでも設立できるようになり、さらに株式会社ではない新たな有限責任の会社形態(LLC)が定められました。
まさに、企業を支援するための法律改正といえます。
取締役にある責任とは
事業経営において、会社法をはじめとする様々な法令に従わなければなりません。会社法では、原則として取締役の責任は過失責任とされています。
経営者は、会社の経営について判断することが求められますが、結果として会社に損失が生じてしまうこともあるでしょう。経営判断は非常に難しく、常に損失を出さないようにすることは不可能です。
それにもかかわらず、経営判断を事後的に評価して法的責任を問うことは、経営者を委縮させてしまい、場合によってはかえって企業に悪影響を及ぼすことになりかねません。これを踏まえて経営判断の原則というものが設けられています。
経営者を守る経営判断の原則
経営判断の原則として、取締役が行動に出る前に、それによって被る可能性のあるリスクがどのくらいかという慎重な判断がされ、その範囲内で決定されたものであれば、たとえ結果的に失敗してしまったとしても、法的責任は問われないという決まりがあります。
この原則の適用が認められるには、その行動が起こった当時における会社の状況や経済、文化の情勢下で、その会社が属する業界の経営者が持っているべき知識や経験の基準は以下の通りです。
- 経営判断の要因となる事実に対して、不注意な誤りがなかったこと
- その事実を基に行動する選択決定に大きな不合理がなかったこと
この条件を満たしている場合、結果的に失敗に終わったとしても、取締役は損害賠償請求をされることはありません。
弁護士が必要とする「原則の適用のための動かぬ証拠」
裁判官が、取締役に法的責任があると認めるのは、「リスクの検討をしていない場合」と「リスクの検討が不十分な場合」です。また、郡山市の多くの企業ではいまだに取締役会議事録に議論の過程を残していないケースがあります。
取締役を弁護するために、弁護士は「具体的なリスクを検討していて、それに対する何らかの対応策が記載されている証拠資料」を必要としています。
経営判断を行ったとき、しっかりと情報を収集し、分析、検討が行われていたのであれば、それを証明できるようにきちんと記録しておく必要があります。
弁護士が会社経営の心強い味方に
郡山市のきつ法律事務所では、会社法にかかわる業務についても承ります。交渉・訴訟・文書作成などの法的な手続きを支援するだけでなく、事業経営上予想される法的なリスクやトラブルを未然に防止するよう全力でサポートいたします。
- 会社設立、定款などの作成・変更
- 役員会、株主総会の運営指導・立会い
- 株主総会議事録などの各種議事録の作成
- 新株・社債の発行
- 組織再編などの会社法などに関する問題など
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この記事を書いた人
弁護士 吉津健三
福島県只見町出身。中央大学法学部法律学科卒。
平成18年、福島県郡山市できつ法律事務所を設立。
令和3年度、福島県弁護士会会長を務める。
コメント
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常に迅速な対応を心掛けています。一人で抱えずにご相談ください。
きつ法律事務所 吉津健三