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弁護士の視点から見る不動産売買契約8つの重要ポイント

重要事項の説明

重要事項の説明

宅地建物取引業者(宅建業者)を通じて不動産を購入する場合が多いですが、宅建業者側で重要事項の説明が義務付けられています。
その不動産に関する登記された権利の種類や内容など、法定の事項についての説明が必要です。重要事項説明にいて宅建業者が事実と異なることを告げ、これを事実と思い込んでしまい、契約者が申し込みや承諾の意思を表した場合、売買契約を取り消すことができます。

登記簿を確認すること

売主がその不動産を所有していることの事実や、他社と共有していないか、抵当権などの担保権が設定されていないかなどを、登記謄本で確認する必要があります。

現地調査をすること

建物を買うとき、その建物が賃貸に出されていたとしても、登記謄本には表示されません。実際に不動産を購入した後に、その建物が実は賃貸されていたために使用することができなかったという不利益を被らないために、実際の建物を調査する必要があります

用途地域を確認する

購入した土地の上に建物を建てようとする場合、建物の種類や、容積、高さなどが法律によって制限されることがあります。住居・商業・工業など市街地の大枠としての土地利用を定める都市計画法上の用途地域は、事前に確認する必要があります。用地地域は、各自治体で販売されている都市計画図で確認することができます。

申込証拠金

申込証拠金とは、マンションや住宅の販売にあたって、購入希望者から販売業者に対して交付されることのある金銭のことをいいます。これは不動産取引の中で生じたもので、法律上の規定はありません。購入希望者の購入意思の確認と、購入希望者の申し込み優先順位の確保のために預託される金銭であるという考え方が一般的です。
申込証拠金は売買契約成立前に交付され、契約をキャンセルした場合は返還することが多いです。したがって、申込み証拠金を交付する場合は、売主から預かり証の交付を受けましょう。

売買契約での手付の支払い

不動産売買契約を締結する場合は、買主から売主に手付金を払う場合が多いです。契約の相手方が実際に契約に着手するまで、買主は手付を放棄することによって契約を解除することができ、売主は手付の倍額支払うことで契約解除ができます。
契約を解除してしまった場合、お互いに賠償請求ができなくなるので注意しましょう。

購入した建物に欠陥を見つけたら

建物の欠陥(瑕疵)の担保責任を追及できる期間は、それを知ってから1年以内と限られています。しかし、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、請求できる範囲は広がっています。例えば、新築住宅の契約において基本構造部分の瑕疵担保責任は建物が完成して引き渡しが行われてから10年間請求できるようになります。
その内容も、損害賠償請求・解除だけではなく、修補請求ができます。

農地の売買に関する注意

農地の売買において、買主が土地を引き続き農地として使用する場合、農業委員会または都道府県知事の許可が必要です。また、買主が農地として使用しない場合でも許可が必要になります。
農地法の許可が必要なとき、許可が下りる前に売買契約を結ぶことはできますが、所有権は移転できません。

不動産賃貸契約で失敗しないために

土地賃貸契約の更新

契約の期間が満了してしまったとき、契約を更新するかどうかが問題となります。土地賃貸仮契約の更新は、合意更新と法定更新に分かれます。

合意更新
当事者の合意に基づいて更新することを合意更新といいます。当事者が契約期間を定めず、借地借家法が適応される場合、初回の更新は20年間、2回目以降は10年になります。当事者は、20年より長い賃貸期間を定めることもできます。
法定更新
土地の所有者に対して更新を請求し、建物が存在している場合は通常合意更新と同じ内容になります。また、更新の契約を請求しない場合でも、貸主が異議を述べなければ、上記と同様に契約が更新されます。貸主の意義には正当事由がなければなりません。

建物賃貸借契約の更新

土地賃貸と同じように、合意による更新と法定更新があります。

合意更新
建物賃貸借契約を合意更新した場合、契約期間は最長20年間、1年未満の期間を定めた場合、期間を定めなかったものと判断されます。契約期間を定めなかった、またはそのように判断された場合は解約申し入れの対象になりますのでご注意ください。
法定更新
貸主や借主が期間満了の1年前から半年前までに更新拒否をしなかった場合や、契約条件を変更しなければ更新しないという通知をしなかった場合は、それまでと同じ契約内容で更新したと判断されます。
貸主から更新拒絶の通知をした場合でも、借主が不動産の使用を継続しているのに貸主が異議を述べなければ、同じ契約内容で更新したものとみなされます。

解約申し入れとは

建物賃貸仮契約で、期間の定めがない売いや定めがないとみなされた場合、貸主と借主の双方とも申し入れによっていつでも契約を終了させることができます。これを解約申し入れといいます。
ただし、貸主の側から解約の申し入れをする場合には、正当な理由が必要とされています。契約が終了するのは解約申し入れの日から6か月後です。

契約期間の途中で家賃の変更を行う場合

契約で定めた以上は、賃料を途中で変更することはできないのが原則です。ただし、貸主と借主の間で合意した場合は変更が可能です。また、裁判により賃料の値上げ・値下げをすることができる場合があります。
裁判で賃料を変更する場合、いきなり訴訟を提起することはできず、まずは調停を申し立てなければなりません。これを調停前置主義といいます。
調停で不調となった場合、裁判を起こすことになりますが、この場合は次のような事情から判断されます。

  1. 土地もしくは建物に対する租税その他の負担の増減
  2. 土地もしくは建物の価格の上昇もしくは低下など経済事情の変動
  3. 同じ条件の建物の借賃の比較

敷金の返還

敷金とは、建物賃貸借契約の際に、賃料やその他契約上の債務を担保する目的で貸主から交付される契約停止条件付の返還債務を伴う金銭のことをいいます。借主が賃料を払わなかったり、建物の原状回復が必要となったときにこれを負担しなければならない場合、借主の負担が差し引かれて、建物を明け渡した後に返還されます。
建物の賃貸仮契約において、原状回復は借主の負担とされるのが一般的です。どんなに綺麗に使っても、部屋をクリーニングする代金は負担させられることもありますので、敷金全額が戻ってこない場合が殆どです。返還金額が不当に低いと感じたら弁護士に相談しましょう。

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この記事を書いた人

吉津健三

弁護士 吉津健三
福島県只見町出身。中央大学法学部法律学科卒。
平成18年、福島県郡山市できつ法律事務所を設立。
令和3年度、福島県弁護士会会長を務める。

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